グランドスタッフは地上から空の旅を支える大切な仕事です。
テキパキと落ち着いたイメージのグランドスタッフですが 、実はタフさも求められます。今回は知られざるグランドスタッフの日常と奮闘を紹介します。

グランドスタッフに必要なのは英語力? コミュ力?
いいえ。体力です。
飛行機が着陸した後に急きょ到着口が変更になるのは日常茶飯事。担当者は全速力で変更後の搭乗口に走り出します。
特に女性のグランドスタッフはパンプスなので、たまに靴が脱げてしまいます。仕事終わりに足のストッキングの親指が破けていることもしばしばです。
予期せずグランドスタッフとして培った、体力が活かされたエピソードを紹介します。
ある日カウンターに、大きなシェパードを預けに来たお客様がいました。なんとそのシェパードが暴れ始め、逃げ出してしまったのです。他のお客さまに噛みついたりしたら大変です! グランドスタッフ数名が全身で暴れる犬を保護してお預かりしました。
とにかく体力勝負の仕事だと思います。
グランドスタッフは一日中立ちっぱなしなので、どうしても足が蒸れてしまいます。
従業員用のロッカーもいい匂いとは言いがたいです(苦笑)。仕事から帰ってお風呂に入ると、足を念入りに洗ってしまいます。
ニオイとの戦いは、荷物をお預かりする時にも。
お客様のスーツケースが異臭を発していたので確認させていただいたところ、中に大きなドリアンが 2 個も入っていたこともあります。
あとはペットのフェレ ットをお預かりするときは、独特の臭いがあるのですぐに分かります。安全面という意味でも、匂いには気を遣っていますね。
お客様からの苦情は私たちの大切な財産です。よりクオリティの高いサービスを提供するためにも、真摯に耳を傾けます。しかし残念なことに、時にはお客様自身が原因であっても自分の思い通りにならないことに感情的になる方もおられます。
そんな時は、他のグランドスタッフが助けに入ってくれることもありますが、一番大事なことは絶対に自分まで感情的にならないことです。理不尽だと思っても理屈で言葉を返すのは事態を悪くするだけですし、そもそもお客様に失礼です。 他のお客様にご迷惑なようだと毅然とした態度を取らなければならないときもありますが、まずは落ち着いてトコトンお話を聞けるような心の落ち着きが大切です。
グランドスタッフの仕事は連携が不可欠。日々力を合わせて仕事をしていると、連帯感が生まれます。
大晦日に遅番の時に、そのままみんなで飲みに行き、カウントダウンや神社の参拝に行ったこともあります。同じ苦労を分かち合った仲間と、お酒を呑みながら年を明かしました。家族や友達よりも先に新年のあいさつもして、不思議と晴れやかな気分でお正月を迎えられたことを覚えています。
同期や先輩後輩の絆は強く、退職してからも交流が続くことが多いです。
グランドスタッフとしてしみじみと幸せを感じる瞬間があります。その 1 つが 、夜遅い時間にカウンターなどから滑走路を眺めている時です。
夜の中に駐機するいくつもの飛行機が輝いていていると「ああ、自分は空港でグランドスタッフになったんだな」という嬉しさがこみ上げてきます。この感覚は勤務年数が長くなっても色あせません。
グランドスタッフ同士の連携が上手くいった時やお客様からの感謝の言葉をいただいた時、そして大好きな空港で働いているのを再確認する時……。
大変なこともありますが、この仕事をやっていて良かったと思うことは数え切れません。
グランドスタッフは今日も空港で奮闘中です!