今日も空の上で活躍するキャビンアテンダント。そんな彼女・彼らは独自のアンテナを張って業務に取り組んでいます。それは時に刑事や探偵さながらです。 離陸前から着陸後まで、CA だからこその鋭い観察力が光る場面を紹介します。

搭乗が始まると CA は、ドアサイドで「いらっしゃいませ」「おはようございます」とお客様をお迎えします。
これはお客様に気持ちよくご搭乗いただくだけではなく、不審物のチェックなど、安全への配慮も兼ねた大切な業務です。
一度離陸すれば、飛行機内には逃げ場がありません。ドアサイドでのご挨拶は、空の旅を危険から守るための最終確認なのです。顔は笑顔でも緊張感を持って取り組んでいます。
フライト前やフライト中、CA はさりげなくお客様の服装をチェックしています。服装から、到着後のお客様の行動を予想してサービスに活かすためです。
ニューヨーク行きのフライトで、ビシッとスーツを着ているお客様がいました。おそらくこの後、商談などがあるのでしょう。
お飲み物を提供した際に、袖のボタンがほつれているのに気がついたんです。お声がけして、裁縫セットで簡単なお直しをさせていただきました。
お客様からはのちに「大事な会議で恥をかかずにすみました」と、丁重なお礼状をいただきました。空の上では気が利きすぎるくらいが丁度いいのかもしれません。
お客様の落とし物捜索にも、CA の観察力が発揮されます。
国際線でのフライト中のことです。お客様のお食事が終わって一息ついたのも束の間、お薬を失 くしてしまったというお申し出が……。
すぐにお食事のトレイに置いてしまったのではと思い当たり、ギャレー(お食事の用意をするためのスペース)の中で大捜索が始まりました。約 10 台のカートからトレイを 1 枚 1 枚取り出して確認します。その後、無事にお薬は見つかりました。
機内は密室。探せば必ずどこかにはあるはずです。CA の手にかかれば、落とし物はほぼ 100%見つけます!
お薬以外にも、指輪や眼鏡などを失くしてしまうお客様もいらっしゃいます。
ホノルル空港への着陸後、真っ青な顔をした新婚のご夫婦から「妻が結婚指輪を失くしてしまいました」とのお申し出がありました。このままでは楽しいハネムーンが台無しになってしまいます。
他のお客様が降りた後、乗務員総出で座席のシートをはがし、床を這いつくばって隅から隅まで徹底的に探します。ついに座席のシートの下で指輪を発見しましたが、手が届かない奥に入り込んでいて焦るご夫婦。
しかし最後はベテラン CA が機転を利かせ、お箸でつまんでなんとか回収しました。ご夫婦は何度もお礼を言った後、晴れやかな表情でゲートへと向かわれました。
CA の仕事は華やかなものだけではありません。
しかしこうやってお客様に喜んでいただけるのが、何よりもうれしい瞬間です。
フライトを終えると、各々が自宅やステイ先に戻ります。その途中に CA と遭遇するのはよくあることです。
CA かどうかはメイクや持っているキャリーケースなど、なんとなく雰囲気で分かります。しかし不思議なのは、制服を着ていなくてもオフの日でも同業者に気がつくことです。
休日に同期と日光温泉に行った時のことです。旅館の廊下で女性数人のグループとすれ違いました。ノーメイクに浴衣姿だったにもかかわらず、同期も私もすぐに CA だと分かったんです。
向こうも同じことを思ったのか、目が合ってちょっと気まずかったですね(笑)。